由良 哲次 (ゆら てつじ)
1897年2月 – 1979年3月

日本の歴史哲学者
日本史家
美術史家
浮世絵蒐集家

研究内容・業績

哲学者として
古代史、美術研究者として
葛飾北斎と東洲斎写楽の同一人説を主張。
先生が蒐集した美術品の数々は、死後、奈良県立美術館に寄贈された。
遺産の総額は時価10億円を超した。
文化の振興に関する社会貢献活動
奈良県新沢千塚群集墳保護のため奈良県に私財1億円を寄付。
その他奈良県立橿原考古学研究所に3億円の寄付をおこなった。
学術及び科学技術の復興を目的として財団法人由良大和古代文化研究基金の設立を希望し、今日の公益財団法人由良大和古代文化研究協会の設立につながっている。
1976年、伊賀上野公園内に「横光利一青春の碑」を建立。

著書

『歴史哲学研究』目黒書店 1937年 その後、増補版を出版。
『歴史の本質と歴史哲学』富士書店 1947年
『南北朝編年史』吉川弘文館 1964年
『総校日本浮世絵類考』画文堂 1979年
『句集 吾亦紅(一行詩)』(株)沖積舎 2008年
 その他著書多数


由良哲次先生 年譜抄

明治30年(1897)0歳奈良県添上郡柳生村大字丹生で出生。
(現在の奈良市丹生町)
幼、少年期は地元の丹生尋常小学校、
隣町の三重県立第三中学校を卒業。
いずれも品行方正、学術優秀につき特待生に選定される。
大正11年(1922)25才東京高等師範学校卒業。
その後、京都帝国大学文学部哲学科入学。
引き続き大学院に進み西田幾多郎、田辺元教授の指導を受ける。
昭和3年(1928)31歳ドイツハンブルグ大学哲学科に入学。
昭和6年(1931)34歳卒業論文「精神科学と意志法則」でドクトル デル フィロソフィ(哲学博士)の称号を与えられる。
帰国後、東京高等師範学校教授(現在の筑波大学)に就任。
以後、国内の教授、講師を歴任。
昭和21年(1946)49歳教育者としての戦争責任を痛感して全ての大学を辞任する。
以降、在野の研究者として美学、美術、特に浮世絵の研究を行う。
昭和54年(1979)82歳勲三等瑞宝章受章。
同年3月28日死去。

由良哲次先生の資産のご寄附によって、史跡新沢千塚古墳群の買収(奈良県負担金)、大和磯城古墳群、磐余・飛鳥地域の古墳、宮・寺の調査が進められ最終的に現在の「(公財)由良大和古代文化研究協会」の設立と運営に引き継がれている。また、遺言により奈良県立美術館に古美術蒐集品(由良コレクション)が寄贈され展観されている。

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